日本のコールドチェーンのパイオニア
今、私たちは、山国に住んでいても、すぐに新鮮な海の魚が食べられます。また、都会の中でも、遠いところから昨日とれた野菜や絞りたての牛乳が、即時に口元に届きます。いつもは気にも止めていないことですが、なぜでしょうか。それは、生産地の取れたてのものが、すぐに定温冷凍車で日本の隅々まで運ばれ、消費者のもとに届くシステムが出来上がっているからです。
この仕組みを日本で初めて考え出し国産第1号の冷凍車を作り、今日のコールドチェーン(冷凍輸送)の礎を築いた人、それが、富永シヅです。
そして国産初の冷凍車はここ福岡で誕生したのです。
富永シヅは、福岡運輸株式会社の創業者で、明治四十二(一九〇九)年一月二十八日に五島列島・福江島の玉之浦湾沿いの荒川部落、鳥巣家で生まれました。祖父の鳥巣五右衛門は、大敷網の網元で、長崎の県議会議員でした。
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